【申請編】小規模事業者持続化補助金完全ガイド

ここでは、採択されるための申請書の書き方極意について解説します。

基本的に、小規模事業者持続化補助金は採点式です。

それぞれに採点項目があり、中小企業診断士が申請書を読んで各項目ごとに点数を付けて、最終的に得点の高い申請書順に採択されて行きます。

だったら採点項目教えてくださいと言いたくなるのですが、実はこの項目は非公開情報の為、分からないのです。

ですが、これから解説する内容に即した申請書を記載すれば比較的に採択されやすいと思いますので、申請書を作成される方は参考にしてください。

※採択を約束するものではありません。

小規模事業者持続化補助金の中で一番オーソドックスな【一般枠】の申請書の書き方になります。

申請書に記載する場合は下記項目に沿って作文していってください。

【事業概要編】

①企業概要

・当社のこれまでの取り組みや実績

 自社が何者なのかを伝えるために、経営理念や従業員数や営業時間、定休日等の基本的な情報や沿革などを作文形式で記載しましょう。

ホームページに記載しているような事で結構です。

・当社が提供している商品・サービス

 そのままの通りですが、単純に「家具屋です。家具の販売とメンテナンスを実施しています。」だけだと寂しいので、自社のこだわりなども伝わるように記載していきましょう。

・売上/利益が多い商品やサービス

 ここでは、果たして本当に数字的視点で物事が捉えられている会社かどうかを判断されるため、決算書を引っ張ってきて表などにして示してください。最低でも直近3期分の売上/販売管理費/売上原価/利益率を記載しましょう。

また、これにプラスして商品もサービスも取り扱っている場合なら売上構成費として小売〇%、サービス〇%という表記まで入れて、どっちが儲かっているのかも示してください。

②顧客ニーズと市場動向 ※ここは文章量を多めにすることを意識

・顧客ニーズ

 最近のお客様の状況や自社のターゲットになり得る人達は、現在どんなニーズを抱えているのか、そして自社はそのニーズを埋める必要があるという事を説得してください。

・市場動向

 競合となる同業他社は現在どのような課題を持っているのか、そしてどのように解決しようとしているのか、既に解決したような企業は具体的にどのように取り組んでいたのかを説得してください。

・業界や地域の現在の状況と将来の見通し

 上記のニーズや市場動向をまとめるセクションです。業界全体の事と自社の立地状態や近くの同業他社がどうなっているのか、そしてこれからの未来はどうなるのかを記載しましょう。

顧客ニーズと市場動向は審査員に説得するセクションだと思ってください。説得するには定量的な説明が必要なのでデータなどを調べて、しっかりと申請書にデータなどを貼り付けて根拠を示してください。根拠を示せない感覚的な話はなるべく排除するのが吉です。

③自社の強み

・SWOT分析

 SWOT分析は自社の強み/弱み/機会/脅威を分析するものです。

自社の強みと弱み、世の中の流れで自社だけではどうすることもできないことは機会と脅威です。

例えば、コロナ禍を例に例えるならば、IT業界にとってコロナ禍は機会(チャンス)でした。

一方、飲食店にとってはコロナ禍は脅威です。自分ではどうすることもできない世の中の動きだからです。

人口減少等も同じです。

このセクションではSWOT分析表を入れてください。それによって審査員からの印象が良くなります。

特にSWOT分析である必要はありませんが、一番楽なのでオススメです。

詳細な分析方法は以下の動画で解説しておりますので、ご覧ください。

※その1~4までございます。しっかりと把握したい方は全編ご覧いただくことを推奨します。

・自社の強みについて

 上記SWOT分析で記載した(強み)を一つずつ、詳細な情報を補足していきましょう。

例えば

強み①:他社より価格が安い

だけでは、具体的には分かりませんので、例えばではありますが

「他社より価格が安い理由は、独自の単に価格を下げているのではなく、独自の仕入れルートや提携ネットワークを築いている点である。長年の業界経験を活かし、中間業者を介さずに仕入れを行えるルートを確保することで、品質を保ちながらもコストを最小限に抑えることが可能だ。また、国内外のパートナー企業との直接取引により、安定した価格と供給体制を維持している。」

というように補足的に説明しましょう。

また、たまにあるのですが…

強みに「笑顔」や「行き届いた接客」というのを記載する方がいますが、商売をする上で笑顔であることや、しっかりとした接客を心がけるのは当然の事なので、強みではありません。

当たり前の事です!

・お客様に評価されている点

 実際にお客様にどのように評価されているのかも簡単で良いので言及しておけば良いかと思います。あまり重視はしていないです。

④経営方針・目標と今後のプラン

・今後の経営方針

 顧客ニーズと市場動向に記載した内容や自社の強みを踏まえた上でどんな戦略を取っていく必要があるのかを記載しましょう。なるべく強みと機会もしくは、強みと脅威を掛け合わせて記載してください。

 ちょっと分からないよという方は、動画のその4まで見てくださったら分かります。

・今後の経営目標

 社員の敷居を高める!

というような目標ではなく、売上を何%ぐらいアップを何年以内に目指す等の定量的な目標です。

・経営目標を達成するための今後のプラン

 上記目標値を掲げて、どうすればその目標を達成できるかを戦略的に記載していきましょう。

【事業計画書】

①事業名

 これは申請書のタイトルです。審査員は大量の申請書を採点します。

なので、読む前にまずこのタイトルを見て、どんな申請書なのかを把握しようとしますので、どんな事業を行いたいのかを30字以内で示してください。

②販路開拓等の取り組み内容

・申請する内容

 ここに今回の補助金では何を購入して、何に使うのかを記載しましょう。

・補助事業で行う販路開拓の具体的な内容

 このセクションでは、具体的な説明をします。

顧客ニーズと市場動向に関連しており、この事業は理にかなっているという事が分かるように工夫しましょう。

・これまでの自社の取り組みと異なる点

 基本的に本補助金制度は初めて取り組む販路開拓活動に対して補助されるものなので、今までとは何が違うのかを記載する必要があります。

・競合他社とは異なる点

 この事業が他社と具体的にどのような差別化を図れるのかを記載しましょう。

・補助事業のスケジュール

 採択は大体申請締め切り日より2か月後ぐらいなので、その時期から報告するまでの間の補助事業のスケジュールを表にして示しましょう。一目でわかればそれで良いです。

・ITの活用

 ここはあまり深く記載する必要はないですが、簡単にでも良いので現代的な手法を取り入れた対策について記載しましょう。

一昔前までは「SNSで告知する。」だけでも良かったですが、フォロワー100人程度のアカウントがSNSに告知してどうなる?って感じなので、インターネット広告等で周知を図る。とか、何でも良いので記載しましょう。ただ、本当に取り組める内容にしてください。嘘は書いてはいけません。

④補助事業の効果

・予測

 最低でも今後3期分の決算予測を記載してください。具体的には売上、諸経費、仕入、利益などの基本的な予測数値で構いません。

MAXで5期分ぐらいの予測を示すと好印象です。

・補助事業が効果に結び付く理由

 今回の補助金事業が何故、売上を伸ばすのか、販路開拓に繋がるのかを最後にまとめとして記載しましょう。

・補助事業終了後の取り組み

 補助金はもらって終わりではなく、もらった後が本番です。補助事業終了後はどんな取り組みを行って会社を持続的発展を目指していくかを記載しましょう。

これらを記載して合計で8枚以内にしましょう。

そうですね・・・A4サイズを7枚は埋める文章量を意識して申請書作成に取り組んでください。

もちろんデータや写真などの添付を合わせてです。

さいごに

 弊社は、デジタルマーケティングを軸に、web広告運用・動画制作・Web制作・AI活用や従来型のマスメディア広告、チラシ制作等の幅広いサービスを提供する広告代理店です。地方企業や中小企業の課題解決に特化し、成果につながるプロモーションを支援しています。今回は小規模事業者持続化補助金の採択されるための申請書の書き方をお伝えさせて頂きましたが、もし分からない点があったらお問い合わせください。

※弊社は支援団体ではありませんので、申請書作成等の具体的な申請サポートは、最寄りの商工会議所もしくは商工会にご相談ください。

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